Lenovo Legion Y700(2022/2023)をQFILで初期ROMに戻す方法【文鎮化から復旧】

以前YOGA Pad Proのグローバル化で使用した、EDLモードでのROM焼きですが、同じLenovo製タブレットということで「Legion Y700」でも使用できます。

現時点では中国版しか存在しないので、焼けるROMは中国版ROM(ZUI)に限られますが、ROM焼き後の完全初期化文鎮化した場合の復旧などでかなり便利なので、記事で紹介します。

今回は、GSIを焼いた状態から初期ROMに戻すために使用しました

追記(2024/2):Legion Y700(2023)についての情報も追加しました。
追記(2024/7):AMD Ryzen搭載PCについての情報を追加しました。

目次

Intel CPU搭載パソコンが必要→AMDでもドライバ変更により使用可

今回復旧に使用する「EDLモード」でのROM焼きは、AMD製CPUを搭載したパソコンでは動作しないことが多いです。実際、私のパソコン(Ryzen 5 3600搭載)ではエラー連発でまともに動きませんでした。

今回の記事ではSurface Laptop 3(10世代Core i5搭載)を使用しています。

【追記:2024/07/21】AMD Ryzenシリーズ搭載PCの場合、EDL用のドライバとして「Quectel QDLoader 9008」を使用することで動作可能となるようです。以下からダウンロードして解凍後、「dbinst.exe」を実行すればOK。
https://reindex-ot.github.io/other/

スポンサーリンク

ブートローダーアンロック・USBデバッグの有効化を行っておく

初期ROMを焼く場合なので、ほとんどの方ははからずも行っていると思いますが、もし起動しない場合の復旧に必要な場合があるため、可能であれば事前に行っておきましょう。

あわせて読みたい
Lenovo Legion Y700のブートローダーアンロック手順 Lenovoの小型タブレット「Legion Y700」を購入しました。思っていた以上にコンパクトで、機能も多く動作もサクサクで快適なのですが、やはり中国版ということで、それ故...

ダウンロードするもの

QPST

Qualcommの開発・設計向けソフト郡です。今回はこの中に含まれる「QFIL」を使用します。

あわせて読みたい
lolinet mirrors - firmware, software, iso etc. lolinet mirrors - powered by h5ai

中国版ROM本体

2022年/2023年モデルによって選択するROMは異なりますので注意してください。

どちらについても、ROMの入手経路等は未確認なので自己責任でダウンロードしてください。

2022年モデル(TB-970F/Snapdragon 870)

中国のSNS「WeChat」で見つかりました。リンクは以下ですが、閲覧にはスマホ版「WeChat」アプリでQRコードを読み取りログインする必要があります。ログインが面倒という方は、私がGoogleドライブにアップロードしたものもあるので、こちらを使用ください。

なお、外部のサイト様にて他のバージョンのものも配布されています。特にこだわりがなければ新しいバージョンのほうが良いかもしれません。以下は「Re*Index. (ot_inc)」さんのROM配布ページです。

Re*Index.Lab
Re*Index.Lab Powered by GitHub Pages & Jekyll

2023年モデル(TB-320FC/Snapdragon 8+Gen1)

2023年モデルの場合はこちらを使用してください。「CN」と記載のあるものが中国版のROMです。

あわせて読みたい

※もしこちらからダウンロードできない場合、以下からダウンロードしてください。中国版のROMですが、バージョンはやや古いです。

スポンサーリンク

ROMの書き込み手順

手順についてはどちらのモデルでも同様です。なお、写真は2022年モデルで実行した時のものを使用していますので、必要に応じて読み替えてください。

STEP
QFILの設定

スタートメニューで「QFIL」と検索すれば表示されますので、これを起動します。

起動したら、「Configration」→「FireHose Configration」とクリックし、以下の通り設定します。

  • Device Typeを「ufs」に変更
  • 「Reset After Download」にチェック。

次に、「Load Content…」をクリックし、先ほどダウンロードしておいたROMの中の「contents.xml」を選択したらとりあえずこれでOK。

STEP
タブレットをEDLモードにする

Lenovoの端末の多くでは、EDLモードを起動する方法は2つあります。

EDLモードで起動すると、PC上では以下のように認識されます。

また、タブレット側は以下のような状態で、画面も点灯していない状態となります。

2023年モデルの場合、USBケーブルを接続する際には長辺側のUSB-Cポートを使用してください。(EDLモードなど、一部の状況ではこちらしか反応しない)

ADBコマンドで再起動する方法

ADBコマンドで簡単に起動できます。端末が起動できる状態であればこちらがおすすめです。

adb reboot edl

音量ボタン+を押しながらUSB接続

こちらはAndroidが起動しなくても使用できる方法です。

電源を切った状態で、音量+ボタンだけを押しながらパソコンにUSB接続すると、EDLモードが起動します。

再起動を繰り返してシャットダウンができない場合は、バッテリー切れまで待ちましょう。

STEP
ROMの書き込み

ポートを選択

EDLモードで接続を行ったら、QFIL上で「SelectPort」をクリックし、表示されている項目を選択して「OK」をクリックします。

あとは「Download Content」をクリックすればROM焼きが開始します。

10分ほど待てば以下のようなログが表示され、ROM焼きが完了です。

ZUIが起動

無事、初期ROMである「ZUI」が起動しました。

スポンサーリンク

うまくいかない場合の対処法

過去の記事にて、QFILを使用する場合のエラーとその対処法をいくつか載せていますので、参考にどうぞ。

あわせて読みたい
「YOGA Pad Pro」をグローバル版ROMに書き換える方法【YOGA Tab 13化】 「YOGA Pad Pro」は中国向けのタブレットなので、Google Playは標準では入っておらず、(導入は簡単に可能)UIもかなりクセが強いものになっています。 そのままでも使...
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメント一覧 (19件)

  • グローバル版を使用していたのですが、フル機能が使いたくて書き換えに挑戦しました。
    馴れない操作の中、記載の方法を丁寧に追っていって、
    結果、無事に中国ROMに書き換えができました。
    丁寧な記事に感謝いたします!

  • もし、なにかアイデアがあれば返信をいただきたくご連絡しました。
    お忙しいとは思われますが、お時間のある時にでも返信いただけますと幸いです。

    現在の目標としましてはショップROM→初期ROMへの変更し、ブートローダーの再ロックを行うことにあります。
    ショップROM→初期ROMの変更については記事のおかけで無事行うことができました。

    ただし、ブートローダーの再ロックで躓いております。
    QFILでROM焼きをしても再ロックされず、”fastboot flashing lock”を行うとファイルが破損したという表示が出て起動しなくなってしまいます。

    その状態でも別ページで紹介されていた通り、”fasatboot flashing unlock”をし、”fastboot set_active a”で起動する状態まで復旧するのですが、再ロックに関してはうまくいきません。

    再ロックに関して、なにか良い方法がございましたら、ご教示願えないでしょうか?

  • コメント失礼します。
    EDLモードにしてデバイスマネージャーから認識状況をみると
    黄色い三角のマークに QUSB_BULK_CID:0412_SN:ED527407出ます。
    使っているコードも何種類も試しました。
    USBハブも何種類もかませてやってみたりもしました。
    パソコンも4種類ほど試しましたが同じでした。
    何が悪いのか全くわかりません。
    わかる方いらしたらご教授頂きたいと思います。
    よろしくお願いします。

  • Thanks for your great work
    kindly need your help
    my device is stuck in EDL mode
    I flashed the stock firmware many many times, qfil says flash successfull but device boots always to edl
    Tried holding all three buttons, erase all partition option, using your drivers, using edl.py, but all failed
    I noticed when I use sha256 validation in firehose config it fails flashing looking to the log I found “this tool in NOT able to write to device
    kindly advise

  • my tablet is stucked in edl mode.. I flashed the stock firmware hundered of times, it flashs sucessfully but device doesnot boot.. it will always go to edl

  • ポートを選択で接続ポートが表示されず困っています。なにか原因がわかりそうな方はいらっしゃいませんでしょうか。

  • ボタンやコマンドでEDLもありますが、EDL V2ケーブルでもEDLで起動がやれた事を報告しておきます。思ったようにEDLとして認識しなくなった場合の救済策として参考程度に。

  • こちらの記事を参考にしてショップromからオリジナルromに焼き直せました。ありがとうございました。

    ただ最初は失敗して書き込めず、2箇所ほど特定の方法を試したところ上手くいきましたので、他の方の参考になればと思いまして書き込ませて頂きます。

    Qualcomm USB Driverについて
    インストールでSetup Typeを選ぶ際、WWAN-DHCPにしていたのですが、こちらでは上手くいきませんでした。ETHERNET-DHCPにしたところ書き込めました。

    展開したromファイルについて
    XDA Forumで説明されていたのですが、QPSTのbinフォルダに保存しました。QFILのファイルと同じ場所です。具体的な場所は下記になります。

    Program Files(x86)>Qualcomm>QPST>bin

    ちなみに私の端末では、オリジナルromに焼いた後もbootloaderはアンロックされたままでした。
    私は別のショップで買ったのですが、某ショップで買った端末でオリジナルromにした後boot loaderをロックしたところ、起動しなくなったとの話がありますのでロックせずに使おうと考えております。

  • こちらの記事を参考にして、無事にグローバルROM(ショップROM?)から大陸版ROMに戻せました。
    ありがとうございました。
    何度かエラーが出て諦めかけていましたが、
    EDLモードのY700がPCで認識されて間髪入れずに「Download Content」ボタンを押したら
    うまくいきました。体感0.5秒以下でしたね。
    USB2.0じゃないとダメかと思っていたのですが、USB3.0でも自分の環境では大丈夫でした。
    (Core i5 第7世代のノートパソコンです)

    「contents.xml」のファイルサイズはこれで正しいと思いますよ。
    あくまで索引用のファイルであって、バイナリデータは別のファイルっぽいですし。

    • .xmlはそういうファイルなのですね。コメントありがとうございます。

  • いつも有益な情報をありがとうございます。
    ひとつご教示下さい。
    ダウンロードした中国版ROMの「contents.xml」というファイルですが、
    数KBほどしかない小さいファイルでした。素人的なイメージでは、もっと大きなファイルだと思いましたが、合っていると思われますか?

  • QFILで最後にDownload ContentをクリックしてROMを焼くとこまでは
    説明通りにできていると思われるのですがStatusの表示に以下の表示が出て
    正常時完了することができず起動もできなくなりました。
    何か設定ミスがあるのでしょうか?

    Start Download
    Meta build active boot partition 1
    Starting Get Partition Files Json
    Get Partition Files Failed:MetaCli not found !!!
    Finish Get Partition Files Json
    Get Partition Files Json Fail
    Program Path:F:\00y700\prog_firehose_ddr.elf
    ***** Working Folder:C:\Users\*****\AppData\Roaming\Qualcomm\QFIL\COMPORT_4
    Binary build date: Jun 25 2019 @ 03:16:15
    QSAHARASERVER CALLED LIKE THIS: ‘C:\Program Files (x86)\Qualcomm\QPST\bin\QSaharaServer.ex’Current working dir: C:\Users\****\AppData\Roaming\Qualcomm\QFIL\COMPORT_4
    Sahara mappings:
    2: amss.mbn
    6: apps.mbn
    8: dsp1.mbn
    10: dbl.mbn
    11: osbl.mbn
    12: dsp2.mbn
    16: efs1.mbn
    17: efs2.mbn
    20: efs3.mbn
    21: sbl1.mbn
    22: sbl2.mbn
    23: rpm.mbn
    25: tz.mbn
    28: dsp3.mbn
    29: acdb.mbn
    30: wdt.mbn
    31: mba.mbn
    13: F:\00y700\prog_firehose_ddr.elf
    ERROR: function: sahara_rx_data:276 Unable to read packet header. Only read 0 bytes.
    ERROR: function: sahara_main:982 Sahara protocol error
    ERROR: function: main:320 Uploading Image using Sahara protocol failed
    Download Fail:Sahara Fail:QSaharaServer Fail:Process fail
    Finish Download

    • 自己解決しました。
      どうもEDLモードの切替ができていなかったのか音量+を押しながらUSBに接続を何回かしたらDownloadが正常に出来ました。USBポートを変えたり音量-、電源ボタンを押しながら接続したりもしてみたのでどのタイミングでできたのか不明ですが・・・

    • アンロックと同様、fastbootコマンドでロックできるはずです。というより、記憶が曖昧なのではっきりとはいえませんが、QFILでROM焼きをすると自動的にブートローダーもロック状態に戻ったような記憶があります。違ったら申し訳ないです。

      なお、たまに話を聞くのですが、純正ROM以外を導入している状態でブートローダーをロックすると当然ながら起動しなくなりますので注意してください。まあこの機種ならその状態でもQFILで復旧できると思うのでそこまで問題にはならないですが。

  • ミラーリンクである「Google ドライブからダウンロード」を押しても元のページに飛ばされるだけで行くことができません。どうすれば良いでしょうか?

コメントする

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

目次