YOGA Pad Proレビュー:据え置き最強のタブレット。キックスタンド/HDMI入力+驚異的な電池持ち

LenovoのAndroidタブレット「YOGA Pad Pro」を購入したので紹介します。このタブレットは、先日発表された「YOGA Pad 13」の中国版にあたるものです。

両者の違いはファームウェアだけなので、これを書き換えることでグローバル版として使うことも可能です。かくいう私もグローバル版を待てなかったので、中国版である「YOGA Pad Pro」を購入してグローバルROMに書き換えました。

この記事では中国版「YOGA Pad Pro」を購入後、すぐにグローバル版ROMに書き換えて使用しています。そのため、ソフトウェア面は実質的にグローバル版のものとなりますので注意してください。

目次

スペック

名称YOGA Pad Pro(YOGA Tab 13)
SoCSnapdragon 870
OSAndroid 11(中国版はAndroid 11ベースのZUI12.5)
メモリ8GB LPDDR5
ストレージ256GB
ディスプレイ13インチ
解像度:2,160×1,350(4:3)
重量830g
バッテリー10,200mAh
カメラアウトカメラ:なし
インカメラ :8MP
その他キックスタンド内蔵
クアッドスピーカー
microHDMIポート(入力)
顔認証対応(インカメラ)

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開封

今回は「GIZTOP」にて購入。GooglePlay導入のためか開封済みでした。

付属品

箱の中にはこれでもかという程いろいろ入っています。

  • 説明書類
  • USB-C to USB-Cケーブル
  • USB-C充電器(30W)
  • USB-C to 3.5mmジャック変換アダプタ
  • HDMI to microHDMIケーブル

こんな感じで、購入してからすぐに急速充電はもちろん、「YOGA Pad Pro」の大きな特徴である「HDMI入力」も使えるようになっています。

ちなみに、充電器はポートがUSB-Cのもので、以下のように30Wまで対応。プラグに穴がないですが、一応日本でも使えます。

13インチは意外と丁度いい

「YOGA Pad Pro」のディスプレイは13インチと巨大です。10インチを超えるタブレットははじめて購入しましたが、机で使う分には案外大きすぎず普通に使えます。

さすがに手でもって使うには大きすぎますが、そもそも卓上で使うことがメインのタブレットなので問題なし。

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スタンドが最強

スタンドは以前のYOGAタブレットシリーズから少し変わって棒状のものに変わりました。とはいえ、機能は変わらず高機能のままです。

こんな感じで使えるキックスタンドが内蔵。無段階調整が可能です。左は先日紹介した「MOFT Snap-On」を装着したiPad Air 4ですが、流石にYOGA Pad Proの圧勝。自由度と柔軟性が段違いです。

このスタンドはヒンジの硬さが絶妙で、こんな感じでかなり浅めにおいても操作時に動いてしまうことも有りません。本体下部にバッテリーを搭載することにより、重心をできる限り下に置く工夫がなされているみたいです。

また、フック形状なので、こんな感じで様々なところにぶら下げて使うこともできます。

そういえば「キックスタンド」で思い出したんですが、昔こんなダッサイスタンドを使っていた人もいるらしい。ほんとダサすぎて草。

SMART ASW
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システム面

UIはAOSPに近いもの

記事冒頭で書いたとおり、今回はグローバル版ROMに書き換えているため、AOSPに近い馴染みのあるUIとなっています。

ただし、その代わりに機能は控えめで、ジェスチャー機能なども無く、中国版ROMにはある「ダブルタップで起動」「PCモード」が省かれています。これはかなり残念。

「ダブルタップで起動」はRoot化後、ADBコマンドで有効化が可能です。方法は以下より。
https://smartasw.com/archives/12634

GooglePlayは中国版/グローバル版どちらもOK

グローバル版はもちろん標準搭載ですし、中国版も標準で入っているアプリストアからダウンロードすれば使えます。

ただ、ひとつ気になる点があって、中国版のZUIではGoogle Playの認定が通っているのにも関わらず、なぜかグローバル版では通っていません

なんでや…

まあ、実害はGooglePlayから「Netflix」がインストールできないくらいなので、気にする必要はないんですけどね。(APKMirror等でダウンロードすればインストール自体は可能で普通に使える。)

ちなみに、思い当たる節が一つあり、正式なグローバル版である「YOGA Tab 13」ってまだ発売されてないんですよね…。多分これが原因でしょうね。

Widevine L1でHD再生可能

プライムビデオでテストしたところ、しっかりHD表示が出てWideVine L1であることが確認できました。卓上特化というだけあり、このあたりはしっかりしていました。

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クアッドスピーカー+Dolbyで音質も◎

ここは期待以上でした。タブレットの下部、上部に2つずつ、計4つのスピーカーを搭載しています。

上部
下部

「Dolby Atmos」にも対応していることも相まって、かなり迫力あるサウンドです。低音もかなり出ている印象です。

HDMI入力はケーブルを挿せば自動で表示

目玉機能の一つである「HDMI入力」ですが、microHDMiケーブルで機器を接続するだけで自動で切り替わります。

接続してから実際に表示されるまでは約10秒程度掛かります。以下は実際の速度です。

HDMI入力はAndroidからは独立

HDMI入力使用時は、ナビゲーションバーやステータスバーは表示されず、スワイプしても出てきません。

Androidとは別システムなので安定性、応答性においては有利ですが、Android上でキャプチャを行うといったことは不可能です。また、流石に電源OFFでは反応しませんでした。

音量/輝度調整・アスペクト比の変更が可能

HDMI入力時にできる操作はこの3つのみ。タッチパネルに触れるとこのように起動調整とアスペクト比の変更が可能です。右下にはバッテリー表示があります。

Nintendo Switchを接続してみましたが、比率は「16:9」と「16:10」を切替可能でした。16:10にすれば引き伸ばす形にはなりますが、ディスプレイ全面を使用して表示できます。

遅延はほぼなし

HDMIスプリッタでPCモニター(EX-LDQ241DB)とYOGA Pad Proに接続して同時に表示してみました。

遅延がほぼないことがわかるかと思います。

ただ、スプラトゥーン2を実際にプレイした感じでは、映像の移り変わりが激しい部分ではやや残像が残ってしまう感じで、少し違和感がありました。出先でプレイするなら許容できるかな?といった程度ですが、家でガンガンプレイする用途には向かないでしょう。

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SD870搭載で性能/電池持ちを両立

最近「Snapdragon 888」や「Snapdragon 780G」など、最近のQualcommのSoCは燃費が微妙なイメージなんですが、「Snapdragon 870」はかなり燃費が良いイメージです。

「Snapdragon 870」は「Snapdragon 865」「Snapdragon 865 Plus」のマイナーチェンジですが、実際は当たり石を選別しただけのような気がしてます。

何はともあれ、実際の性能はこんな感じでバリバリハイエンドです。

YouTube再生テストでは18時間超え

以前なにかの記事でも行ったのですが、20時間超えの動画を連続再生してバッテリー持ち時間をテストしてみました。

テスト環境は以下です。音量をゼロにしていること以外は実使用環境に近いかと思います。

  • 使用した動画はこちらで、画質は1080p固定
  • Wi-Fi、Bluetoothは両方ON
  • 輝度は40%程度
  • 音量は諸事情で0に設定

この環境で垂れ流した結果がこれ

驚異の18時間連続再生が可能でした。流石に実際使用するとなるとここまでは持たないと思いますが、それでも10時間は余裕で使用できるんじゃないかと思います。

❌気になる点・不満点

USB-Cが挿しづらい

USB-Cが右下のほうにあるため、かなり挿しづらいです。また、ポート位置も分厚い部分の真ん中ということ、ケーブルを挿すときに筐体をガリガリしてしまいます。地味ですが結構気になるポイント。

音量・電源ボタンの位置

音量、電源ボタンの位置も微妙で、右下にあるためかなり押しづらいです。なぜ右上にしなかったのか…

Androidの最適化不足

アプリのUI

これはYOGA Pad Proの不満というよりはAndroidの不満点ですが、とりあえずこの写真を見てくれ。こいつをどう思う?

すごく…(無駄に)大きいです…。

スマホが縦長ディスプレイを搭載して一度に表示できる情報量を多くしているのに、タブレットとなるとこの有様。

まあこれはTwitterが悪い。

左右は余白でもいいからせめてiPadくらいの情報量は表示してくれ…(懇願)

他のタブレットなら縦で使えばいいだけかもしれないけど、YOGA Pad Proだとそうはいかないですからね…

ちなみに、代替アプリを使用することで解決できます。おすすめは「MarinDeck for TweetDeck」というアプリです。

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PIPが異様に重たい

私はYouTubeアプリなんかでピクチャ・イン・ピクチャ(PIP)をよく使用するのですが、Androidスマホでは特に問題なく使えるのですが、YOGA Pad Proではなぜか異様に重たい。

以下のように、PIPで動画を流すと途端に重くなります。そんなに低性能じゃないはずなんですけどね。

また、PIPの窓をタップするとコントロールが表示されるのですが、何回タップしても全く表示されない。窓を動かせば一時的に表示されて操作可能ですが、すぐにまた表示されなくなります。異様に重たいのも相まってかなりストレスです。

AndoirdのタブレットUIのバグなのか、Lenovo側のバグなのかは分かりませんが、いずれにしてもこれはかなりストレスです。ちなみに、Galaxy Tab S6(OneUI3.1/Android 11)ではこんなことにはならず、快適に使えます。

USB PD非対応。30W充電は独自規格

付属の充電器がUSB-Cだったので、てっきりUSB PDに対応しているものと思っていましたが、USB PDの18W充電にすら対応していませんでした。USB PD対応の充電器では11W程度しか出ませんでした。

USB PD 65W充電器に接続
付属の充電器

このため、汎用の充電器を使用する場合はUSB-Aに接続したほうが早くなります。「Anker PowerPort Atom III」では15W程度は出ています。

持って使うにはだいぶ重い

13インチ+10000mAh超えの大容量バッテリー搭載ということで、重量は「830g」となかなかの重さです。やはり卓上特化です。

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グローバル版へ書き換え手順

以下の記事でグローバル版ROMに書き換える方法を紹介していますので参考にどうぞ。

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記事内にも書いていますが、現時点では中国版のROMは公開されていないため、一度グローバル版ROMを焼くともとに戻せません。いずれ公開されるとは思いますが、注意してください。

用途が合うなら最強のタブレット

かなり尖ったスペックをしているため、万人におすすめできるものではないですが、大型ディスプレイに超大容量バッテリー、クアッドスピーカーに最強のキックスタンド、高速&低燃費のSD870搭載と、卓上性能ぶっぱマシンとなっているため、刺さる人にはぶっ刺さるタブレットです。私には刺さりました。

ただ、現時点ではソフト面の最適化不足が目立つので、購入はグローバル版が正式に発売される8月以降がオススメです。

ちなみに、私は未確認ですが「AndroPlus」さんの情報によると、システム情報に技適の表示もあるみたいなので、日本国内での発売もかなり期待できます。是非チェックしてみてください。

中国版「YOGA Pad Pro」は、「GIZTOP」にて$679.00で販売されています。私の場合、送料等で最終的にかかった費用は「$704.99」(日本円で約77,700円)でした。

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