2021年4月頃リリース予定となっている「Nox Player」のAndroid 9.0バージョンを先行で体験させていただいたので紹介します。
Androidエミュレータは以前の記事で6つ紹介しましたが、その多くがAndroid 7をベースとしています。対して、Androidの最新バージョンはすでに「11」で、一部Android 7ではインストールできないゲームも出てきています。
今回、NoxPlayerがAndroid 9.0へアップデートされ、それらをインストールできるようになります。また、以前のバージョンに比べて最適化も進めているとのことなのでということで、今回は、実際のアプリの動作やパフォーマンス、機能について深堀りしてみました。
NoxPlayer 9
試用版をインストールしていきます。早速大きくAndroid 9の表示が。
インストール後に追加されるアイコンはこちらでした。
今回試用させていただいたバージョンは64bit版でした。ほぼすべてのAndroid端末で採用されているのは64bitで、64bitでしか動作しないゲームもちょこちょこあるので、これは嬉しいところです。
基本的なUIは同じ
起動するとこの画面。基本的には以前と同じUIで、ボタン類も特に増えてはいない様子。
Nox Player(Android 7) | Nox Player(Android 9) |
OSはばっちりAndroid 9となっており、バージョンが上がっているのもあってアニメーションがヌルヌルで気持ちいいです。
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Android 9になり対応アプリが増加
Android 7.1→Android 9になったことで、今までインストールできなかった一部の最新アプリもインストールできるようになりました。以下の「スマタブinfo」の独自調査によると、Android 7.0/7.1は合計で約8.9%しかないのに対し、Android 9は今現在でも21%のシェアがあり、十分現役と言えます。
流石にAndroid 10のシェアが高くなってはいるものの、現在リリースされているアプリのほぼ全てはAndroid 9でも動作するように開発されており、しばらく安泰のバージョンだと思われます。
Android 9なら「原神」もインストール可能
Android 7のNox Playerではインストールできなかった「原神」もインストール可能。「原神」はPC版も存在するため、Androidエミュレータで実行する意味は薄いかもしれませんが、ノートパソコンなどであればこちらのほうが快適にプレイできるかもしれません。
Nox Player 7 | Nox Player 9 |
なお、「原神」を実際にプレイする際には、設定を開き「性能設定」内のグラフィックレンダリングモードを「基礎モード(DirectX)」へ変更する必要があります。
ちなみに、「Nox Player 7」のころからあった「キーボードマッピング機能」も、もちろん健在なので、キーボードやマウス、更にはゲームパッドを使用して快適にプレイすることが可能です。
64bit版になったのも大きい
すでにご存じの方もおられるとは思いますが、Nox Player 7の時点で64bit版は存在していました。ただ、こちらはあくまで”サブ”のバージョンであり、32bit版に比べて少し不安定な印象でした。
対して、今回試用させていただいたNox Player 9は64bit版になっており、安定性に関しても、ゲームアプリ起動時に一度だけクラッシュしましたが、それ以外は特に不具合は発生しませんでした。プレビュー版としては十分安定していると言えます。
64bitのみ対応のアプリも存在
先程、Android端末では64bitが主流と言いましたが、その流れはアプリにも影響しており、3Dゲームなどの性能を必要とするアプリは64bit版のみ対応というものがちょこちょこ見られます。
例えば、ゲームアプリでは「NieR Re[in]carnation」があります。このアプリの動作要件はAndroid 7以降となっているものの、通常版のNox Player 7ではインストールできず、64bit版である必要があります。
アプリ側から推奨された画質は「高」でしたが、あえて最高画質を選んでみました。FPSはアプリ側が30FPSまでに制限しているようで、29.5~30FPS程度に保てており、十分快適に遊べます。
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アズールレーンをキーボード+マウスで快適プレイ
スマホゲームの中でも重い部類に入る「アズールレーン」をプレイしてみました。このゲームは32bitのOSを搭載した端末、エミュレータだと不安定になりやすいようですが、NoxPlayer 9は64bitなので無問題。
また、Nox Playerのマウス/キーボード割当機能でタッチ操作をキーボードやマウスに割り当てることができるため、移動をWASDで行えたり、アズールレーンでは画面左上に配置されている「戻る」をキーボードのボタンで操作できます。
以前のバージョンや他のエミュレータでは不具合が起こったりなど(動作環境報告板より)、正常にプレイできないこともあったようですが、NoxPlayer 9でプレイした感じでは特におかしいところも見つからず快適でした。
現時点ではパズドラは動作せず
最新版のNox Player 7では起動できるようになっていた「パズドラ」は再び起動不可になっていました。担当者の方によると、不具合はすでに把握しており修正中とのことです。
ただ、少なくともこの試用版はNox Player 7(32bit版)と共存できるため、ゲームによって使い分けるのも大いにありです。
ちなみに、Root権限絡みが原因かな?と個人的に思ったので「FGO」「妖怪ウォッチぷにぷに」をインストールしてみましたが、特に問題なく快適に動作しました。
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CPU/GPU負荷の比較
ウマ娘の動作テストのついでに、7と9でCPU/GPUの負荷がどれくらい異なるのか計測してみました。結論から言いますと、ほぼ一緒。バージョンが上がっても重くなったりはしておらず、誤差の範囲です。
Nox Player 7 | Nox Player 9 |
Nox Player 7 | Nox Player 9 |
現在のエミュレータの中で最高の選択肢
バージョンが新しく、機能は変わらず豊富、多くのアプリが動作すると、現在主流のAndroidエミュレータの中でも突出している印象です。もちろん、それぞれのエミュレータに独自の機能や特徴はありますし、使い道にもよるんですが、総合的な評価はかなり高いと思います。
また、今回はあまり触れていませんでしたが、今回の試用版は今までのNox Playerと同様に広告が表示されていました。が、広告の表示方法は以前のバージョンと全く同じ形式の広告で、「LDPlayer」「MEmu」のような全画面広告が表示されることがなかったので安心です。
ただ、インストールアプリ一覧の中に広告がしれっと混ざっているのは相変わらず。
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Antutuベンチマーク
最後におなじみAntutu Benchmarkのスコアを載せておきます。
テストに使用したPC
OS | Windows 10 Home 21H1 |
CPU | Ryzen 7 2700 |
メモリ | 16GB(DDR4) |
ストレージ | NVMe SSD 1TB |
GPU | GeForce GTX1060 |
スコア
Antutuベンチマークで前バージョンと比較してみました。ちなみにですが、通常版Antutu Benchmarkでは、ベンチマークに必要なパッケージ「3D Bench」がLite版を勧められるため、こちらで計測しています。
また、以前からエミュレータのときはAntutu Liteでも計測しているのでそちらも計測してみました。なお、Antutu Liteは通常版に比べ、スコアが低く出る傾向にあるようで、Snapdragon 888搭載の「Mi 11」でも「636,421点」となっています。
※スコアをクリックでスクリーンショットを表示できます。
バージョン | Antutu Lite 8.3.0 | Antutu Benchmark 9.0.4 |
Nox Player 7 | 677638 | 681505 |
Nox Player 9 | 620543 | 617955 |
私のPCでは、Android 7のものよりスコアが下がってしましましたが、Nox Playerの担当者の方によると、
「現在の試用版では、AMD製CPUを搭載しているパソコンではパフォーマンスが完全には発揮できておらず、現在修正中です」
とのことでした。Intel製のCPUを搭載しているパソコンの場合、パフォーマンスがかなり向上しているとのことでした。最近は、AMD製のCPU「Ryzen」シリーズがシェアを急速に伸ばしているので、正式版のリリースに期待したいところです。
公式サイト
※現時点ではNox Player 9は公開されていません。ダウンロード可能なのはNox Player 7ですのでご注意ください。
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